フリースと旅番組

f:id:kumanosenaka:20171022133728j:plain私は、旅番組が好き。~パリのマダムに学ぶ60歳からの生き方~みたいな、おしゃれな番組でモデルの卵が一生懸命キラキラしているのもよいけど、それよりはもっとぎゅっとローカルな、日本各地バスの旅なんかが大好物。

今放映されているものだと、タカトシと温水さんの路線バスの旅はとてもよい具合に肩の力が抜けている感じがして、気に入って観ている。

この番組では毎回ゲストが違うので、そのゲストそれぞれ、たとえば芸術品に触れておもわず口から出る言葉とかが違うのが面白いし、有名なおまんじゅうを食べたけど案外ふつうだなって顔をしているのとか、そういうのを見ていると心がほぐれてくる。




私は日頃、一緒にいる人の感情を優先するのがあたりまえになっていて、物事が滞りなく、というのを重視していると思う。かといって生真面目で控えめというわけでもなく、自分の考えを実現させたいがために、その経緯に自分の感情をはさむとたいがい遠回りで骨を折るということで、そうしている。

たまにこの性格を嫌になるときはある。

だから、旅番組で数人がバラバラに好きなことを言って、ケラケラ笑って、挙げ句の果てにバスの時間に間に合わない、なんていうのは見ていて最高にリラックスするし、もっと気楽に人生を楽しんでよいのだということを教えてもらっている。いつかわからないけど、旅番組のように人生を楽しめるようになっていたい。

そんなことを思いながら休日のブランチを終えて、今は部屋でぬくぬくしている。台風が近づいていて雨が強く降っている。なぜだか雨の日は行動力がなくなる。シャワーも億劫になって、食べ終わった皿さえ片付けられない。

食べ終わったばかりなのに、タカトシが食べている栗づくしのフレンチが美味しそうに見えて仕方ない。人柄のよさそうなシェフだなぁ。

ここのところあまりに冷え込むので、UNIQLOでフリースを買ってきた。私が小学生の頃に爆発的に流行したフリース。久しぶりに着ると、こんなにも暖かいものだったことに驚く。発明だ。知り合いの学生が同じものを着ていたので、「フリースだ。暖かいよね」と言ってみたら、フリースという単語が通じなかった。時代は変遷しているのだとつくづく感じた。